春話二十六夜 月待ちの恋 (春話二十六夜)価格: 1,680円 レビュー評価:4.0 レビュー数:1
〜同作者の「春話二十六夜」のうち「後半」十三話。
江戸の浮き世が手に取るように感じられる小粋で、子気味よく散りばめられたエロティックな文章、文体、そして短編につけられたタイトル、それぞれが素敵。また一話ごとのボリュームに拍手です。美しくて濃厚な春画、お話が始まってから終わるまでがその都度、そこで登場するおんなとおとこによって繰り広げられる褥の様にあっていて、まるで生きている二人の甘やかで激しい息づかいを直に耳にしているようです。個人的には特に、聴覚のイマジネーションに訴える擬声音の奔放ないやらしさ加減(笑)と、擬態音の見事さに、いちいち感じ入ってしまいました。当時の暮らしぶり、人情、風